マンガ規制は目に余るご都合主義に対する必然

東京都「性描写漫画販売規制」が成立した。 私は、「おめでとう」と、申し上げたい。 多くの人が、反対し、憤っていることを、私も知っている。 だが、「強姦を礼賛」する作品が、子供に「普通」に売られる状態は「善」なのか? 東京都「性描写漫画販売規制…

無断リンク禁止の解釈

我々が街を歩くとき、もしも誰かから勝手に尾行され、どこを歩き何をしたかについて誰でも見れるような場所に貼り出されたとしても、そのことを受け入れられるでしょうか。あるいは、携帯電話で話しながら自動車を運転している誰かを見かけたときに、その姿…

コメント欄閉鎖の意味するところ

経緯をまとめますと、『古本屋でのバイト時に教えてもらった便利な本・雑誌の縛り方』というものに対して、それを知っていたという人がコメントで「そんなの知っている」というコメントで溢れたというもの。口調などは見ての通り。これは正直「どうすればい…

議論と多数派形成工作

インターネット時代の初期には、「開かれた討議」がサイバースペースで実現して市民社会が良くなる、という「楽観論」も大手を振っていたが、それが鳴りを潜めたのは言うまでもない。「開かれた討議空間」のひとつである2ちゃんねるを見よ。 そこには馬鹿馬…

「他人との関わり方」論

「いじめられる子供の共通点」を調べる研究 | スラド Linuxでのコメントを見て思ったのですけど、いじめ問題というのは人と人との関わり方に何か歪があるからこそ生じているのではないでしょうか。あるいは、いじめ問題だけでなく、たとえばネガコメ問題など…

現代文の授業は何のためにあるのか

文盲の感覚w - 消毒しましょ!を読んで思ったのですけど、もしも現代文の授業というのが「与えられた文章に対して(書き間違いや語句の多様な使用法の存在を考慮の上で)、書き手を馬鹿や文盲であると結論付けなくても済むような文脈的に筋の通る解釈を見つけ…

他人に融通要求をするための資格

「特別な事情」は自分だけにあるとは限らない:ekkenは、まさにその通りだと思います。そもそも、他人への融通要求(が拒絶されたときに相手を批判する自由)は相手に対する責任とセットでなければバランスが取れないような気がします。昔と違い、現在は他人…

居酒屋持ち込み拒絶に対する善意のアドバイスの気持ち悪さ

活字中毒R。にて『人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)から引用されている もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、私たちのちょっと異様な年齢層やルックスや話し方を見てすぐに、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っていると…

「参照文とコンテンツ本体の違い」は単なる屁理屈

「過去の写真集のこれこれというページに児童ポルノがある」というようなことを書いても逮捕されそうな勢いですね。参照文とコンテンツ本体の違いを理解出来ない可哀想な人達が法律を運用してるみたいなんで http://pastorale.jpn.org/2009-07-08-1.html そ…

『サンタフェ』廃棄はだれが判断するのか?

与党改正案は、「自己の性的好奇心をそそる目的」で「児童ポルノ」を所持する行為に、罰則をもって対処している。 野党質疑者は、これが自白のみで立証され、えん罪が生まれる危険性を指摘、私は、えん罪を生まないように、自白だけでなく、客観的な事実(画…

「ジャニーズ上半身裸」は児童ポルノではないのか?

私は、「ジャニーズがショーの途中で上半身を脱いだ写真」は、「児童ポルノ」として扱うべきでないと思うし、個人的には、現行法上、「児童ポルノ」に該当しないのではと考えている。 というのは、ジャニーズのショーは、そもそも、歌唱・ダンスを見せ、聴衆…

議論に勝ち負けはない

「主張」でなく「議論」であるなら、参加者の目的は「何らかの合意を得ること」になる筈だ。 負けを認めるまでが議論です - 妄想科學倶樂部 必ずしもそうではないでしょう。議論における建前上の目的は「筋の通る反論が存在しないような論理を構築すること」…

「しても構わない」の主張はどこまで適用されるのか

先日の記事で私は「レイプゲームを販売することは『実在の女性にレイプ行為をしても構わない』と主張している形になっているのではないか?」との主張をしました。もしかしたら、これを読んだ人の中には「『架空の女性にレイプ行為をしても構わない』と主張…

「疑わしきは罰せず」はただ言いえばいいというものではない

議論において「Aが生じるのはBだからなのでは?」という主張がなされたとしましょう。この主張が意味するところは「Aに関する以降の議論においてBを前提に結論を導くことを受け入れろ」という要求なので、この要求の受け入れを阻止するには反論が必要と…

レイプゲーム規制問題の本質は「話せば分かる」かどうかの問題

レイプゲーム規制問題についてブログでいろいろ読んでみて、女性差別がどうのとか、表現の自由がどのうとか議論されているわけですけど、この手の問題が生じるというか、表現物に対して抗議行動が起こる根本には、社会空間におけるひとりひとりの在り方みた…

ウェブにおける公開は特殊事例なのか

ウェブに文書などを公開すると、その内容について他人から公然と(つまり公開された形で)コメントをされることがあります。もちろん、公開された文書の中で文脈的になされている主張に対して反論をする形のコメントであるならば、何ら問題はないように思い…

はてブ反論コストと不味いカレー屋

「はてブに反論するコストが高い」問題の議論の流れを、はてブに反論することを好みに合わない味をしたカレーを食べることにたとえて、 A「私はジャガイモが嫌いなのでカレーが嫌いです」 B「なるほど、それはわかりました。で、具体的に牛丼と値段がいくら…

「勝手世直し」行為こそ「他人の無責任は認めんが、俺の無責任は許せ」という態度なのでは?

おそらく前回の記事の AがBに無責任な行為をして、CがAに同じ行為をした場合、(中略)Aは、(中略)C個人に文句を言うことはできる 自分が同じ事をされてもそれに寛容であるべきか? - くっぱのブログ の部分に対してだと思うのですけど、id:ekken氏…

自分が同じ事をされてもそれに寛容であるべきか?

おそらく前回の記事の 「Aは(Bに対して)無責任な行為をしたのだから、Aは他人から同じ無責任行為をされても文句を言える筋合いにない。だから、俺がAに同じ無責任行為をしたとしても問題はない」は論理に無理がある AがBに何かをしたら、CはAに同…

AがBに何かをしたら、CはAに同じことをしてもいいのか問題

http://d.hatena.ne.jp/aroundthedistance/20090513/1242209502という記事のコメント欄で 問題なのは、他人が書いた特定の記事を指して「個人的な意見・感想・チラシの裏メモ」を公開するということが、その記事を書いた人を選んでちょっかいを出すというこ…

ブコメに対する不公平感はどこから来るのか?

どこかに不公平感があるからこそ、「ブコメに対する反論のコストが高いから不公平」とか意見が出てくるのだとは思うのですけど、その不公平感の出処というのは実は結構込み入ったところにあるのかもしれません。重要なのは、ブコメが コメント相手 コメント…

「公開している時点で受け入れるべきでは」の気持ち悪さ

そもそも言論を公開している時点で言及がなされること自体は受け入れるべきでは? その内容の正当性はまた別問題。 はてなブックマーク - ekkenのブックマーク / 2009年5月12日 言論の中で主張されている内容について、文脈に沿う形で新しい視点を伴って言及…

無断リンク禁止問題についてかなり本気を出した考えてみたことの補足

それを殺人のような極端な例に当てはめても説得力が感じられません。 「無断リンク禁止」問題について、もっとテキトーに考えてみた:ekken 説得力がどうのという話ではなく、たとえばえっけんさんの今回の論においても肝心な部分の説明が欠けているという指…

コメントの正当さ

コメントに限らないのですけど、ネットにおいては互いに他人から嫌な内容の形で言及をされることがあり、時として衝突が生じることがあります。他人についての言及は、その人を選んでその人になすちょっかい行為です。したがって、言及行為には必然的に相手…

「無断リンク禁止」宣言の使い所

前の記事で言及したサイトから …というわけで、私について書かないで下さいなの☆ http://d.hatena.ne.jp/stac/20090506/1241602893 との反応をいただいたわけですけど、議論っぽいことを書いておきながら後になってそのような反応をするくらいならば、あらか…

「嫌なら読まなきゃよい」で済む記事・済まない記事

ウェブにおける「嫌だからお前はその記事を書くな」「嫌ならお前はこの記事を読むな」のような立場の対立について述べられた議論を目にすることがあります。たとえば、 「無断リンク禁止」とかで「迷惑」って度々出た気がするけど、だったら「あなたの記事を…

無断リンク禁止問題について私もかなり本気を出して考えてみる

「無断リンク禁止問題」を扱って10年のえっけんさんがかなりテキトーに考えられたという「無断リンク禁止」問題についてかなりテキトーに考えてみた:ekkenを読んで、自らおっしゃっている「テキトー」という言葉はまあ口先だけである可能性も残されてはい…

いいや「拾いもの画像」は拾った人のものじゃ!

釣りのようなタイトルになってしまいましたけど、他人同士のかかわり方を考える上で興味深い事例および議論を目にしたので、私も私なりに少し考えてみたいと思います。事例の内容については、 どうやら海外のウェブサイトから見つけてきた画像を再配布してい…

人の嫌がることをしてはいけないのか?

「人の嫌がることをしてはいけないのか?」という問いに対して、単純に「してはいけない」と答えたくなる人も多いかと思いますけど、一方で、相手が嫌がるかどうかのみで「していけない」かどうかが決まるというのは、ちょっと不公平であると考える人もいる…

ブコメシステム改良案

ソーシャルブックマークが「インターネット先進ユーザ」以外にも利用されるようになるには、まずはこのような「バカなコメント」「無礼なコメント」を封じ込める必要がある。 http://blog.pasonatech.co.jp/yokota/199/9711.html このことについての実現を目…