AがBに何かをしたら、CはAに同じことをしてもいいのか問題

http://d.hatena.ne.jp/aroundthedistance/20090513/1242209502という記事のコメント欄で

問題なのは、他人が書いた特定の記事を指して「個人的な意見・感想・チラシの裏メモ」を公開するということが、その記事を書いた人を選んでちょっかいを出すということになることではないでしょか。その内容は公開されることで、誰かを楽しませたり、誰かの役に立ったりということはあるかもしれませんが、だからといって記事を書いた人に対して無責任であって構わないわけではないように思います。


自分の記事を指して公開された他人の「個人的な意見・感想・チラシの裏メモ」が自分の記事の主張内容の反論になっているわけではなく、単に揚げ足取りや茶化しであった場合には、「お前は平気で他人を獲物のように選んで、その人に無責任な行為ができるような人物なのか?」と指摘したくなるのは自然なことだと思います。たとえば、もしもブコメに言及相手からのそのような反論指摘が必ず同時表示されるような機能が実装されれば、言及相手に対する無責任なコメントの抑止につながるかもしれないような気がします。

http://d.hatena.ne.jp/aroundthedistance/20090513/1242209502#c1242251419

という意見を述べたところ、ブログ主であるid:aroundthedistanceさんからhttp://d.hatena.ne.jp/aroundthedistance/20090513/1242209502#c1242265737にて、私が提案した機能だけでは効果は少ないのではないかとのご意見をいただいて、確かにそうかもしれないと思い始めて、前回の記事はそのあたりを踏まえたものになっていたりします。背後にある論理をもう少し洗練されたものに整備する必要はあると思いますが。まあ、それはいいとして、、

実は、私の上記の意見に対してid:ekken氏からもブックマークの形で

id:quppaの意見には、「個人的な意見・感想・チラシの裏メモ」を書かれた人の元記事自体が「個人的な意見・感想・チラシの裏メモ」と言う視点が抜けているような気がするなぁ。

はてなブックマーク - ekkenのブックマーク / 2009年5月15日

とのコメントをいただきました。この方のブログ記事なんかを見ると以前から何となく気持ち悪さというか、違和感のようなものを覚えていたのですけど、今回いただいたコメントにもそれが強く感じられたので、なぜ気持ち悪いのかについて考えてみました。

えっけんさんの主張の構造を抜き出して見ると、「CがAに対してした行為はAがすでに(Bに対して)した行為と同じであるという視点が抜けている」ということになろうかと思います。私の主張は「CはAに対して無責任な行為をしても構わないわけではない」なので、えっけんさんの意見が私の主張に対する反論であるためには、えっけんさんは「Aがすでに(Bに対して)無責任な行為をしていた場合には、CがAに対して同じ無責任行為をしても構わない」という前提を用いていると解釈せざるを得ないでしょう。

でも、この前提ってどうなんでしょう。BがAに「もしお前が『なぜ俺がお前からその行為をされることを受け入れなければならないのか』について筋の通る説明をしないのなら、《すべての人は互いにその行為をされることを受け入れ合わなければならない》とお前が考えていると解釈して、俺もお前に同じ行為をするぞ」と説明と仕返しの受け入れのどちらか一方を選ぶことを要求することは可能でしょう。しかし、どのような論理をもってすれば、Aからその行為をされているわけでもないCが、Bと同様の要求をAにすることに筋が通るのでしょう。

「Aは(Bに対して)無責任な行為をしたのだから、Aは他人から同じ無責任行為をされても文句を言える筋合いにない。だから、俺がAに同じ無責任行為をしたとしても問題はない」は論理に無理があるという意味で気持ち悪い主張であって、無責任な行為をされた当事者であるB以外の人からAに対して出来ることは、せいぜい「Aの行為が無責任であったか否か」の議論くらいなのではないでしょうか。

ブコメレス

「問題がない」とは思わんけど、少なくとも当事者が文句をいう筋合いはないと思うんだよね。他人に罵声を浴びせている人は自分が同じ事をされてもそれに寛容であるべきみたいな感じかな。

はてなブックマーク - ekkenのブックマーク / 2009年5月16日

一見すると自然な発想に見えていていて、でもどことなく胡散臭さもあるような見解だと心のどこかで感じる部分があるので、別途記事を立てて考察してみたいと思います。

自衛隊に反対でも、警護が依頼される件。

はてなブックマーク - REVのブックマーク / 2009年5月16日

定額給付金配布に反対でも、給付金は受け取る件もまた然り。

国家からの各国民に対するサービス提供の提案を国民の総意が受け入れることに反対な立場をとっている人であっても、国民の総意が提案を受け入れることを決めたのならば、国民の一人として国家から提供されるそのサービスを受け取ることに何ら筋の通らない部分はないように思います。