「ジャニーズ上半身裸」は児童ポルノではないのか?

私は、「ジャニーズがショーの途中で上半身を脱いだ写真」は、「児童ポルノ」として扱うべきでないと思うし、個人的には、現行法上、「児童ポルノ」に該当しないのではと考えている。

 というのは、ジャニーズのショーは、そもそも、歌唱・ダンスを見せ、聴衆を元気づけるもので、ストリップショーのような性的なショーとは明らかに異なり、ジャニーズのショーの過程で、上半身裸となって歌う写真が撮られたとして、それは、「1つの思い出」であり、「性欲を興奮させ、刺激する」ものでないため、「児童ポルノ」から除外されると考えるからだ。

http://www.hanashiyasuhiro.com/modules/news/article.php?storyid=194

『ショーの主催者側はそれを「ポルノ」という文脈で提供しているのではないのだから、たとえ上半身を脱いだ姿で撮影されている被写体が「児童」であったとしても、ショーの主催者側は「児童ポルノ」を提供したことにはならない』ということを主張されているのならば、異論はありません。

しかし今問題になっているのは、『その写真を所持した人が「児童ポルノ」を所持したことになるのかどうか?』であって、『その写真を提供した人が「児童ポルノ」を提供したことになるのかどうか?』という論点とは全くの別物なのではないかという気がするのですけど。

というか、今成立を目指しているのって、提供者側の文脈のみに依存して、所持者が処分されるかどうか決まるような法律なのでしょうか。たとえある個人が児童の上半身裸の写真を「自身の性欲を興奮させ、刺激する」目的で所持していたとしても、その写真の提供者が「歌唱・ダンスを見せ、聴衆を元気づける」ことを目的とするなど***筋の通る別文脈***を用意していさえすれば、「児童ポルノ」を所持したと扱われないような法律なのでしょうか。

もしそうならば、所持する側としても、提供者側に「ポルノ」以外に筋の通る別文脈が存在しているかどうかはある程度客観的に判断できますし、その判断のもとに所持した場合に「自身の性欲を興奮させ、刺激する」目的ではないことを証明する義務も生じないので、安心して日常の生活を送ることができるでしょう。それならば法律の制定に反対する人はそれほど多くはないように思います。

でもおそらくそうではなくて、たとえその写真が「ポルノ」とは別文脈のもとで提供されたものであったとしても、ある個人が「自身の性欲を興奮させ、刺激する」目的で所持していたならば、「児童ポルノ」を所持していたことになるような法律の成立を目指している恐れがあるからこそ、波紋が広がっているのではないでしょうか。

そもそも、ある個人が「『歌唱・ダンスを見せ、聴衆を元気づける』ことを目的に演じられたショーを思い出す」ことを目的に所持していたのではなく、「自身の性欲を興奮させ、刺激する」目的で所持していたことを、本人ではない他人がどのようにして証明できるのでしょう。それとも、そうではないことを証明する義務を負うのは写真を所持していた本人の側なのでしょうか。その義務を果たせないのならば、「『歌唱・ダンスを見せ、聴衆を元気づける』ことを目的に演じられたショーを思い出す」ことが目的であっても写真を所持すのを諦めなければならないのでしょうか。もしそうならば、その法律は少し変な方角に向かっているような気がします。