はてブは陰口とは別の何か

はてブはこそこそ?に関連して書かれたhttp://d.hatena.ne.jp/ululun/20090125/1232815377を読んで思ったことについて書いてみます。

まず、大前提として、

はてなブックマークが陰口にはなりえないと主張する-私もそうなのだけれども-根拠は、エントリにブックマークされたブックマークコメントは公開されていて

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20090125/1232815377

ですけど、この文章の後ろに書かれている理由なしにここに引用した部分のみで、はてなブックマークは陰口ではないと言えるような気がします。陰口が言いたいのならば、自分が個別に選んだ人のみが閲覧できるような仕組みのある場所ですればいいわけで、個別に選んだ人以外の人も閲覧できる場所で発言したからには、もはや陰口とはいえないような気がするからです。

で、本題に入りたいのですが、

個人的には、はてなブックマークの問題は「一対多」とでも言えば良いだろうか、一つのエントリに対して大勢が様々な感想を書き込み、それが一度に閲覧出来てしまう点にあると思う。ベタな言い方をすれば野次とでも言えば良いのだろうか。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20090125/1232815377

言い換えると、大勢が一人を相手に寄ってたかって「ちょっかい」を出しているという構図なのだと思います。そして重要な特徴として、誰かが仕切ってそれをさせているのではなく、大勢の一人ひとりが(それをしない自由が制限されているわけではないという意味で)自分の意思をもって「ちょっかい」を出しているという点が挙げられるかと思います。

これって、「いじめ」の一つの形態と似てはいないでしょうか。

たとえば、クラスに転校生がやってきたとします。その転校生のことをちょっと気に食わないと思っているクラスメートの一人が、転校生の靴箱に小石を入れたとします。小石が一つくらい入っていたとしても、靴箱の機能は損なわれません。しかし、その転校生のことを気に食わないと思っている他のクラスメートたちも小石を一つずつ入れ始めたとしましょう。それをした一人ひとりは、靴箱の機能に影響のない程度の「ちょっかい」を出しただけにすぎないというつもりかもしれませんが、大勢のクラスメートたちにそれをされた転校生としては困ってしまうのではないでしょうか。

そして、更なる類似点として、たとえその転校生が小石を入れたクラスメートを名指しして、「なんで俺にちょっかいを出すのか説明しろよ」と要求したとしても、まともに取り合わずに「ちょっかい出し逃げ」みたいな態度をとられたりすることもあるわけです。でもこれって、された側からしたら、「こいつは文脈的なつながりの説明なしに『ちょっかい』を出しても構わない人間だ」みたいに扱われたことになるわけで、自身の人間性を否定されたような形になってはいないでしょうか。

はてなブックマークが記事を読んだときの感想を脊髄反射的に、あるいはファーストインプレッションで感想めいた事を書く場所として「も」機能しうる。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20090125/1232815377

転校生に対するファーストインプレッションが、転校生本人への「ちょっかい」を伴う行為によって表現されたとして、それってどうなのでしょう。本人への「ちょっかい」なしにファーストインプレッションを表現したいなら、自分が個別に選んだ口の固い特定の友達との間でこそこそと陰口みたいに披露しあえばいいわけですし。

はてなブックマークコメントという「場」は、発言意図を伝達するにはあまりにも狭い。

少なくともネガティブな、あるいはネガティブと受け止められがちな書き込みの発言意図を他者に伝達するには向かない場所なのではないか、と。

http://d.hatena.ne.jp/ululun/20090125/1232815377

そして、コメント者が「ちょっかい出し逃げ」ではない形で(ネガティブ)コメントを述べるためには、はてなブックマークコメントという場だけでは完結しない場合があるという点も問題なのかもしれません。

ブクマレス

珍説:はてブはいじめに似たり。コミュニケーションがいじめに似てるのと同程度にはそうかも知んない

http://b.hatena.ne.jp/pbh/20090126#bookmark-11827692

珍説と思う人はいじめに似たコミュニケーションばかりを目にするような環境に暮されていることでしょうけど、そのような人こそ珍人間なのかも知れません。

この件に関しては以前この辺まで語られてますよ、ということで>http://d.hatena.ne.jp/AntiSeptic/20081030/p2

はてなブックマーク - zatpekのブックマーク / 2009年1月27日

期待して読みに行ったのだけれど、論点がかなり違っていてがっかりでした。