無断リンク禁止宣言サイトへの無断リンク行為とは

おそらく、無断リンクをされたくない側も、無断リンクをしたい側も、お互いに相手を無理に咎めすぎている部分があって、でもそのやりすぎな部分を削ぎ落とすとそれなりにシンプルな構造になっているような気がします。

例えば、小学校の校庭にある踏み切り板付きの砂場を考えてみましょう。ある児童が放課後にその砂場において砂でお城を造形していたところ、課外活動で陸上競技クラブに所属している児童が走り幅跳びの練習にやってきたとしましょう。学校としては、砂場の利用に関して、砂遊びよりも走り幅跳びの練習に優先権があるという立場をとっているとします。

このとき、幅跳びをしたい児童の「俺が幅跳びの練習をしたいと(脳内で)思うときに砂で城を作っているなよ」は無理な要求でしょう。相手は誰がいつ幅跳びの練習をしたいと思うかなんて判らないのだから、いきなり踏み切り板から跳躍して相手の作った砂の城を蹴り崩すことには問題がありそうです。

一方、お城を造形していた児童の「俺が作った砂の城は崩すなよ」も無理な要求でしょう。つまり、相手には幅跳びの練習をする権利があるのだから、相手に城を崩させたくないのなら、自ら崩すしかないわけです。

つまり、幅跳びの練習に来た児童は、砂でお城を作っている児童に自分が幅跳びの練習をする旨を通告し、その後にその城が作成者自らによって崩されることなく砂場に存在し続けたという事実をもって、その城を崩すという手順を踏む必要があるでしょう。この手順を踏むことによって初めて、「相手に不意打ちを食らわす」という目的の嫌がらせ行為をしたことにはならないと主張できるわけです。

無断リンク禁止宣言をしているサイトにリンクをする場合についても、同様ではないでしょうか。つまり、たとえその禁止宣言をしているサイトがどのような意図のもとに禁止を宣言をしていたとしても、まずはリンクをする前にリンクをする旨を通告して、そのサイトの処分をするだけの猶予を相手に事前に与えない限り、「相手に不意打ちを食らわす」という目的の嫌がらせ行為をした可能性についての批判は免れないような気がします。一方、事前に通告して相手に十分に猶予を与えたうえでなおネットにそのサイトが存在していた場合には、リンクをしたのちに相手から「リンクをするな」と言われたとしても、「なぜに?」と相手の不可思議な主張を咎めることについては筋は通るような気がします。

まとめると、

  • 自分のサイトに相手がリンクをしようと意思決定した場合、リンクをされるがままにするか、自分のサイトを消滅させるかのどちらかを選ばなければならない。
  • 無断リンク禁止を宣言しているサイトに(上記の選択をするだけの猶予を与えるための)事前の通告なしにリンクをすることは、「相手に不意打ちを食らわす」という目的の嫌がらせ行為をする意図を否定できない。

ということになりそうです。

言及レス

無断リンクをしないで欲しいという要望はできても、無断リンク禁止と主張する事によって、無断リンクを抑止する事はできないというだけの話だから、例えない方がずっとシンプルだと思う。

6月8日のニュース - 神コップBloG_ver.?

それだけの話ではなくて、『無断リンク禁止を宣言しているサイトへの事前通告なしのリンク行為は「相手に不意打ちを食らわす」ことを目的にした嫌がらせを意図していることを否定できない』という主張も含まれているのですけど。というか、その2つの間の関連性を述べているのですけど。

「俺は無断でリンクするけど、お前は俺にリンクするな」がダメなのはわかるよね。

2008-06-08

だからこその無断リンク禁止宣言なのでは。つまり、「(お前は無断リンク禁止を宣言してもよい。しなくてもよい。もしもお前がその宣言をしないなら、)俺は無断でリンクするけど、(俺は無断リンク禁止を宣言するから、事前の通告なしに)お前は俺にリンクするな」なら筋が通るわけです。

幅跳びの競技練習用の砂場でお城つくってるガキとか存在しねーから。お疲れ。

http://d.hatena.ne.jp/firerestarter/20080608/1212911337

というか、存在知らない人のために何かをしようとしているわけではないので、「お疲れ。」とか書かれても、もしかして自意識過剰な人?みたいな反応くらいしかできないのですけど。あと、リンクされるのが嫌な人を公の場で素っ裸でエロい姿を晒して周囲に私を見るなと健気に訴える女性に喩えたとしても、時代遅れというか、喜ぶのはもはやオッサン系の人くらいなのではないかと。

既に「お城がつくられている」状況を既得権であるかのように書いていますが、これは一般道路に砂のお城をつくり、それを壊すなら事前に通告しろといっているのとあまり違いはありません。

http://d.hatena.ne.jp/firerestarter/20080609/1212983194

そうですけど。それどころか、他人の敷地に車を許可無く駐車した人でさえ、目の前で何の通告も無く突然に自分の車を破壊されたら文句を言うことでしょう。

提供者がおり、管理者がおり、大前提となるルールを決めています。それには従わなければならないのです

http://d.hatena.ne.jp/firerestarter/20080609/1212983194

つまり、砂場の場合、砂場を管理している先生なりを突然連れてくるのはOKでしょうけれど、その先生でさえ、そのお城を壊す際には事前に「自分で壊さないのならば、こちらで壊しますよ」と自分で壊すかどうかを意思決定するだけの猶予くらいは与えると思いますけど。というか、それなしに先生がいきなりお城を作った児童の目の前でその城を蹴り崩したりしたら、今のご時世では下手をすれば新聞沙汰にさえなると思いますけど。

やはり、事前通告は「相手に不意打ちを食らわす」ことを目的とした嫌がらせ行為を意図しているわけではないことを示すためのマナーと言えるのではないでしょうか。

無断リンクを不意打ちであると持論を展開するのは、無断リンク禁止宣言サイトへの無断リンク行為とは のくっぱ先生。(中略)「記事」を書くって事は、逆に「記事」にされるかもしれないという危険を、常に『覚悟して書いている人』ってわけですよね。

記事も書かねば叩かれまい - 最終防衛ライン3

無断リンク禁止を宣言しているサイトに事前通告をしたうえでリンク付きの言及記事」を書く人が、逆に「無断リンク禁止を宣言しているサイトに事前通告をしたうえでリンク付きの言及記事」にされるかもしれないという危険(なのか?)を、常に『覚悟して書いている人』ってわけだったとして、そのことと、その後に書かれていることがいったいどのようにつながるのでしょうか。というか、本記事では「無断リンク禁止を宣言しているサイトに事前通告をしたうえでリンク付きの言及記事」を書くという行為をもって「不意打ちである」と述べているわけではないので、もしかしたらlastlineさんは、その点について脳内で勝手に混乱をされているのかもしれません。